大陽日酸技報 No.43(2024)

技術紹介

超高純度酸素およびアルゴンを併産する窒素製造プロセス
Nitrogen Generation Process for Co-production of Small Amounts of Ultra High Purity Oxygen and Argon

 産業と技術革新の基盤をつくろう

半導体工場向けのガス供給では,これまでは窒素ガスをオンサイト窒素製造装置で生産し,少量の酸素やアルゴンを他工場からローリー車で液供給する組合せで対応してきたが,近年大型のものが多く,酸素やアルゴンについてもオンサイトでの生産が求められる傾向にある。この要求を満たすため,少量の超高純度酸素および超高純度酸素とアルゴンを効率的に安定して供給可能な窒素製造プロセスを開発した。本報では,開発したプロセスの概要と,大型装置向けに求められる操業範囲および操業変更への対応について紹介する。
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DS-TIGアドバンストーチのプレハブ配管溶接における実用化
Practical application of DS-TIG Advanced Torch for High efficient prefabricated piping construction

  産業と技術革新の基盤をつくろう

当社商材であるサンアーク®DS-TIGアドバンストーチを社内製作構造物に適用したので,効果等を紹介する。本トーチを用いることで,汎用ティグ溶接機でも安定した深い溶込みの溶接が可能となる。実用化により下記3点の効果を得た。
 ・溶接関連作業時間65%短縮:開先加工レス,溶接パス数削減,溶接速度向上
 ・溶接品質の均一化:自動溶接
 ・開先加工費,溶着金属量の削減:エコ溶接
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MOCVD装置向け高温原料供給ユニットによるAlScN成膜の実証
Demonstration of AlScN growth using a high-temperature precursor supply unit for MOCVD equipment

MOCVD(有機金属化学気相成長)法により成膜された窒化物半導体は,その優れた物理的特性により,高周波・高出力デバイス,LED,レーザーなど広く応用されている。近年,窒化物半導体の成長時に,Sc等の希土類元素を添加すると,従来にはない有用な特性が発現することが明らかになっている。特にScとAlの混晶であるAlScNについては,不揮発メモリの低消費電力化や高電子移動度トランジスタ(HEMT)のキャリア密度向上に寄与することが期待されている。本紙では,低蒸気圧であるために原料としての使用が困難であったCp3Scを,当社で開発した高温原料供給ユニットを用いることにより安定供給に成功し, AlScN成膜を実証したので報告する。
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関連サイト:大陽日酸 MOCVD装置特設サイト

分離膜を活用したアンモニア混合ガス中の水分除去技術の開発
Development of Technology for Removing Water in Ammonia Mixed Gases Using Separation Membranes

   

多量の水分を含むアンモニア混合ガスに対する新しい水分除去技術を開発した。アンモニアは近年ハーバー・ボッシュ法に代わる合成法の研究が盛んであるが,その方法によっては多量の水分を含んだアンモニアが発生すると推定される。本技術では,吸着精製に膜分離精製を組み合わせることで吸着精製部を小型化し,吸着剤再生工程に要するエネルギーとアンモニアロスを抑えた。実験により,約10000ppmの水分を含むアンモニア混合ガスから数ppm以下への水分除去が行えることを実証し,吸着剤の必要量を89%低減でき,プロセスのアンモニア収率も吸着精製単独と比べ約5%改善されることを示した。
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高純度ヒドラジンガス供給システムの開発
High-Purity Hydrazine Vapor Delivery System

 産業と技術革新の基盤をつくろう

当社では半導体製造向けに高純度ヒドラジン材料としてRASIRC製BRUTE® Hydrazineを販売してきた。高純度ヒドラジンガスが新規半導体材料ガスとして注目される中,半導体量産プロセス向けにはヒドラジンガスの高濃度かつ安定的な供給が求められる。今般,当社のガスハンドリング技術を活用して,半導体量産プロセス向けのヒドラジンガス供給システムを開発したので,供給特性と併せて報告する。
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関連技術報告:無水ヒドラジンを用いた TiN ALD (原子層堆積法) プロセス

ウルトラファインバブル(UFB)発生器
Ultrafine Bubble Generating Nozzle

     
 

ファインバブルは, ここ10年くらいの間に様々な分野で利用が拡大してきており, その活用は多岐にわたっている。また, SDGsと密接に結びついており, 今後も様々な分野での用途の拡大が期待される。本稿では日酸TANAKAの気体-気体混合および気体-液体混合技術をベースにしたウルトラファインバブル発生器の開発について紹介する。このウルトラファインバブル発生器は粒子個数濃度において, 市販品と比較して良好であることを確認した。
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商品紹介

配管溶接ソリューション「回転管自動溶接向け制御装置 サンアーク®パイプコントローラ」
The Solution for Auto Pipe Welding “SanArc® Pipe Controller”

産業と技術革新の基盤をつくろう

回転管自動溶接向けの制御装置「サンアークパイプコントローラ」を開発した。回転の段階ごとに蓄熱等の影響を考慮した溶接条件設定を行うことで,条件選定を容易にして管径・板厚の適用範囲を拡大でき,配管溶接の自動化と高品位化に有効である。 本商品は,当社が提供する「サンアークDS-TIGアドバンス溶接トーチ」「サンアークXZスライダー」と組合せることで,DS-TIGアドバンストーチによる開先レス・ワンパス溶接の適用対象を拡大できる。配管溶接の自動化および高効率化へ向けて,本商品と共にこれらの高速自動TIG溶接のソリューションをタンク・配管の溶接生産現場に展開していく。
(全文を読む PDF:564KB)
関連サイト:DS-TIGアドバンストーチ

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