CLOSE-UP/環境負荷低減のための水素プロジェクト

酸素同位体 Water-18Oの増産/大陽日酸は安定同位体を通じて、先端研究から創薬・機能性材料開発など、未来へ向けた研究の発展に貢献しています。

がん診療への貢献 -PET診断薬原料 「Water-18O」-

ポジトロン断層撮影(PET)は、がんの早期発見と予後観察に威力を発揮しており、先進国のみならず、新興国も含めた世界中で広く普及しています。さらに、近年では、新しいPET診断薬の開発が進んでおり、アルツハイマー、パーキンソン病、心疾患などの診断に広がりつつあります。

大陽日酸は、PET診断薬原料である「Water-18O」の国内唯一のメーカーです。2004年の発売以来、30カ国以上に供給し、世界中のがん診療に貢献しています。

世界初の「酸素蒸留」によるWater-18Oの製造に成功「18O分離プラント」

酸素同位体である18Oは空気中の酸素にわずか0.2%しか存在していません。この18Oを98%まで濃縮した水-18O「Water-18O」がPET用がん診断薬「18FDG」※1の原料です(図1)。

PET = Positron Emission Tomography(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)

図1:Water-18Oを用いた18FDG-PET診断

大陽日酸は、独自の超高純度酸素深冷分離技術(図2)の開発に成功し、2004年より製造を開始しました※2。従来の水蒸留分離技術よりも酸素同位体(18O)を効率的に高濃縮(98atom%)することができます。現在では、世界最高品質の「Water-18O」として、世界中のお客様から選ばれています。

図2:Water-18O製造フロー

世界中で増え続ける「Water-18O」需要への安定供給を目指し、2004年の1号プラント(製造能力100kg/年)竣工以来、2013年には2号プラント(200kg/年)を、2015年には3号プラント(300kg/年)を竣工させ、年間製造能力600kgという世界最大の生産供給体制を構築しています。

  • ※1

    18FDG : ブドウ糖の類似化合物であるフルオロデオキシグルコース(FDG)を放射性同位体のフッ素-18(18F)で標識したPET用診断薬です。ブドウ糖代謝が激しい腫瘍に集積するため、PETで18FDGの体内分布を画像化してがん診断を行います。

  • ※2

    科学技術振興機構(JST)の委託開発事業「酸素-18 安定同位体標識水の製造技術」により、「Water-18O」100kg 製造プラントを建設しました。

18O分離プラント

先端研究から高機能材料までトータルサポート「安定同位体」

Water-18Oをはじめ、米国ISOTEC製の安定同位体試薬(D、13C、15N、希ガス他)、カナダTrace Science社製のメタルアイソトープ、英国Sercon社製の安定同位体比質量分析計など、幅広い商品ラインアップとサービス体制で、安定同位体に関わるあらゆるニーズにお応えしています。

大陽日酸は安定同位体を通じて、先端研究から創薬・機能性材料開発など、未来へ向けた研究の発展に貢献しています。

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