Yuzuru Miyazawa 宮澤 譲

海外営業部門

開発・エンジニアリング本部 つくば研究所 化学合成技術部 電子機材開発課
2004年入社/理工学研究科 開放環境科学専攻 修了

エレクトロニクス産業向けにかつてない技術的アプローチから
特殊ガス精製装置開発に挑む

My Work

特殊ガスの精製装置を研究開発

当課は、エレクトロニクス産業を中心とした特殊ガスを使用する顧客向けに、ガスの供給装置(シリンダーキャビネット)、高純度ガス精製装置、除害装置などの装置・機器関連の研究を行っています。特殊ガスとは、シリコン半導体や太陽電池製造に使用されるシランガス、LEDなどの化合物半導体製造に使われるアンモニアガスなどを筆頭に、現在では数百種類もあります。これらのガスは、空気の成分である酸素や窒素に比べて非常に高価なだけでなく、空気に触れると発火・爆発の恐れがある、毒性が非常に強い、金属を腐食させるといった危険があり、取り扱いの難しいガスでもあります。そこで、ボンベを安全に収納しておけて、顧客の要望どおりにガスを供給するシリンダーキャビネット、供給中に落ちた純度を再度高めるための精製装置、毒性を取り除く除害装置が必要になります。
この中で私は、高純度ガスの精製装置の研究開発に携わっています。精製装置とは、ガス中の不純物を取り除く装置です。たとえば、一般的な窒素ガスであっても、その中には微量な酸素、アルゴンや水分などが含まれており、純度の高い窒素ガスをつくるには、これら不純物を取り除く必要があるのです。高純度にすることで、ガスの価値が上がるだけでなく、そのガスを使って製造する製品の性能を大幅に向上させるなど、重要な役割を担う装置ともいえます。

Chellenging

成熟した精製技術開発に、前例のないアプローチで挑む

現在は、従来の技術とはまったく異なるアプローチによって、今までは技術的に難しかった不純物まで取り除ける精製装置を開発しています。特許を申請中で詳しいことは話せないのですが、これが実用化されれば、今まで高純度化できなかった特殊ガスの純度を上げられるようになり、半導体や液晶業界で新たなニーズを開拓できると考えています。精製技術は、供給装置、除害装置に比べて成熟したターゲットですが、それでも、技術開発の余地は残されており、その中でオンリー・ワンの技術を新たに生み出そうと注力しているところです。前例のない技術に挑むのですから、大変なところはありますが、ここがまた技術者として充実感を得るところでもあります。
私たち先端技術開発部が手掛ける装置は、あらゆる製品をつくるうえで、ほんの入り口にすぎず、一般メディアにも登場しません。しかし、最終製品を製造するためには欠かせない装置なのだと思えば、大きなやりがいを感じます。

Message

企業における研究開発は、実用化が前提

会社における研究開発と大学のそれとは、まったく違います。会社では、実用化が前提です。その条件とは、社会に対して安全であり、従来よりもメリットがあり、そしてコストが安いこと。この中で、私が一番ギャップを感じたのが「コスト」でした。研究開発費を、その結果得る利益が上回らなければ、つまり、投資対効果が高くなければ、ビジネスとして成立しません。それが、企業というものです。将来性のある基礎研究を行うためにアカデミックな舞台に立つのもおもしろいし、早期実用化を目指して企業に活躍の舞台を求めるのもおもしろい。学生のみなさんは、どちらにより魅力を感じますか。

My History

1978

長野県生まれ。山に囲まれた大自然の中で育つ。いくつもの基地をつくり、冒険に明け暮れる毎日を過ごした。

地元(塩尻)の子供会の遠足にて(左端)
1994

中学までは陸上部、高校からはサッカー部に入部。サッカー漫画『シュート』に憧れ、必死に練習するも県大会で敗退してしまう。

高校2年、サッカー部のメンバーと(上段中央)
1998

大学に進学。同郷の友人の勧めでサーフィンを始める。同時に、海を通じて環境問題に興味を持つようになる。

大学のサーフィン仲間とモルディブにて(後列左端)
2000

環境化学研究室に所属。大気中のガス分析、分析装置向け標準ガス製造装置の開発、室内環境の清浄装置の開発など、ガスをターゲットとした研究を行う。就職活動では、環境問題に貢献できて、ガスを扱う化学工業の企業に焦点を絞って受ける。

大学院の研究室のメンバーと飲み会にて(前段中央)
2004

日本酸素(現大陽日酸)に入社。茨城県つくば研究所の電子機材事業本部開発二課に配属される。環境問題とは対極のイメージのあった半導体産業向けの研究に最初は戸惑うが、この業界でも環境問題に対する仕事が山ほどあることを知る。この年、大学時代にサーフィンを通じて知り合った女性と先輩の結婚式で運命的な再会。

2006

神奈川県川崎市水江事業所の電子機材事業本部開発一課に異動。大学時代に研究していた内容と同じような研究に携わることになり、その能力をおおいに発揮できそうに思えたが、世の中そう甘くはなかった。課題山積の状態。

2008

ついに30歳。飛躍の年と位置づける。自分の研究テーマを与えられたり、水江事業所労働組合の役員になったり、後輩が次々と入ってきたり、来年の結婚を決意したりと、さまざまなことが身の回りで起こるが、楽しい毎日を過ごす。かなり大人びた。

社内フットサルチームの仲間と(左から2番目)
Episode

ここは町工場なのか?

エレクトロニクス関連の研究開発職と聞いてどのような様子をイメージしますか? きれいな部屋でハイテクな分析計を使って実験をしている様を思い浮かべますか? 実のところ、入社する前の私も、そんな姿を想像していました。しかし、当部署の場合は、金属配管を切ったり曲げたり、サンダー、ジグソー、ボール盤などの工具を使って加工したりと、服を真っ黒にしながら大胆な評価装置をつくり、研究開発を行っています。入社当初こそ驚いたものですが、日がたつにつれて、「これが時代の最先端か!」と、何か壮大なロマンを感じるようになってきました。