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炭素繊維製造プロセス向け酸素富化燃焼式排ガス除害装置開発のお知らせ

  • 2019/08/09 ニュースリリース
大陽日酸株式会社(社長 CEO:市原裕史郎)では、炭素繊維製造プロセスなどで発生する、シアン化水素(HCN)、アンモニア(NH3)などの有毒ガスを含む排ガスに対して、酸素富化燃焼を利用した二段燃焼を用いることで、窒素酸化物(NOx)の生成を抑制しながら省エネルギーを達成する排ガス除害装置「Innova-FLASH」を開発しましたので、お知らせします。
 
 
1.開発の経緯
 炭素繊維の製造プロセスでは、製造工程によって、排出される排ガスの組成と流量が大きく異なります。高温でも溶融しない耐炎繊維を生成するために200~300℃で加熱酸化する耐炎化工程からは、空気をベースとしてHCN、NH3が数百ppm含まれるガスが大量に排出されます。一方、耐炎化工程で得られた繊維を、1,000~2,000℃の不活性雰囲気化で焼成する炭素化工程から排出されるガスには、ガス量は少ないものの、窒素をベースとして高濃度のHCN、NH3が含まれます。
 従来は、空気燃焼によりこれらの排ガス処理を行うため、処理プロセスは酸化雰囲気となり、HCNやNH3の分解とNOxの生成抑制を両立する事が困難でした。
 当社では、それぞれの排ガスに最適な処理雰囲気を形成するために、酸素富化燃焼を採用し、低NOxでHCN、NH3を高効率に分解できる除害装置「Innova-FLASH」を開発しました。
 
2.技術の概要
 本除害装置は、高濃度HCN、NH3が含まれる窒素ベースのガス(排ガス1)を高温還元雰囲気で処理するプロセス1と、低濃度HCN、NH3が含まれる空気ベースのガス(排ガス2)を低温酸化雰囲気で処理するプロセス2の二つの異なる雰囲気を持つプロセスで構成され(図1)、それぞれの排ガスに適した反応雰囲気で処理することにより、NOxの生成を抑制することが可能となりました。また、プロセス1で生成した可燃分を含む燃焼ガスをプロセス2に流入させる事で、プロセス1の排熱を排ガス2の処理に有効に利用できることとなり、従来の空気燃焼式に比較して50%の省エネルギーを可能にしました。
 高濃度のNH3を含有する模擬排ガス1を使用した試験では、NOxを100ppm以下に抑制できることを確認しています。また、低濃度のNH3を含有する模擬排ガス2を使用した試験では、NOxを40ppm以下に抑制できることを確認しています。

図1 「Innova-FLASH」の概略



図2 模擬排ガス1のNH3濃度と排ガス中NOx、NH3濃度の関係




図3 模擬排ガス2のNH3濃度と排ガス中NOx、NH3濃度の関係



表1 「Innova-FLASH」の仕様
排ガス処理量 [Nm3/h] 都市ガス [Nm3/h] 酸素 [Nm3/h] 設置スペース [m]
10,000 54 12 W13×L16
20,000 100 20 W16×L25
30,000 144 30 W20×L30

3.今後の展開
 大陽日酸では、炭素繊維製造プロセス向けに開発した排ガス除害装置を使用して、実ガスを使った実証試験を行い、排ガスを効率よく低NOxで分解できることを確認しました。
 炭素繊維は、航空・宇宙分野に加え、自動車、建築・土木分野への利用が広がってきております。今後、炭素繊維業界の設備増強およびリプレイスに向けて、低NOx高効率排ガス処理技術として「Innova-FLASH」の提案を行ってまいります。
 更に、省エネや炭酸ガス排出量削減に貢献する技術として、炭素繊維以外の分野に対しても技術の展開を進めてまいります。
以 上
 
本件に関するお問い合わせ
大陽日酸株式会社
東京都品川区小山1-3-26
管理本部広報・IR部
TEL: 03-5788-8015

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