エレクトロニクス/SDS

半導体材料ガス「SDS」(セイフ・デリバリー・ソース)は、優れた安全性とコストパフォーマンスが世界中の半導体メーカーから高い評価を得ている、イオンインプラ装置用半導体材料ガスの新しい供給システムです。

SDSの荷姿写真

開発のバックグランド

半導体製造プロセスでは、導電型不純物の添加や拡散層の形成にイオン注入法が広く用いられています。このイオン注入法とは、As(ヒ素)P(リン)B(ホウ素)などの不純物をイオン化し電圧で加速してウエハー上に注入するものです。注入する不純物により、N型(As、Pを注入した場合)、P型(Bを注入した場合)といったウエハーの電気的特性を作り出しています。

この不純物ソースとして、アルシン(AsH3)・ホスフィン(PH3)・三フッ化ホウ素(11BF3)などの半導体材料ガスや金属ヒ素・赤リンなどの固体が使われてきました。ガスはハンドリングが容易ですが、高圧状態で供給されるために事故の際の危険性が高く、一方固体は安全性が高く評価されるものの、加熱が必要なことや機器の洗浄などに非常に手間がかかることが欠点でした。

SDSはシリンダーに吸着剤を入れ、アルシン、ホスフィンなどを大気圧以下で充填・吸着させているため、ガス・固体のそれぞれの長所を兼ね備え、その安全性・コストパフォーマンスが半導体メーカーから高い評価を得ています。

半導体製造時のイオン注入工程

SDS製品の特徴

SDS製品の特徴は、シリンダー内部にガス成分を吸着する吸着剤が充填されており、イオンソースのガスはこの吸着剤に取り込まれ、大気圧より低い圧力を保持します。

ガス消費時はSDS容器内圧力とイオンインプラ装置内(高真空)の圧力差により、ガスを供給する方式であり、毒性の高いアルシン・ホスフィン・三フッ化ホウ素などの供給において「優れた安全性」「装置の稼働率アップによるコストダウン」を実現します。

SDSのソースガスの充填量は、従来の高圧ガス容器での供給に比べ、14〜40倍の量のガスが充填されているため、容器のライフタイムの向上により、容器交換頻度が低減し、ユーザーにおけるコストダウンを実現します。

もう一つのメリットとしてSDSは大気圧以下の充填圧力であるため、高圧ガス保安法の適用を受けないため、煩雑であった高圧ガス保安法対応の申請業務等も不要になります。

  • AsH3・PH311BF3・SiF4・GeF4ガスを100%純度で大気圧以下の圧力で供給
  • インプラ装置にて真空に引くことでガス供給(650Torr〜20Torr)
  • SDSは高圧ガス保安法適用外